【獣医の日常】Day6:猫の飼い主さんに心から伝えたいこと

獣医の日常

本日いらっしゃったご家族

年寄りの猫で2年病院にはいっておらず、今年の頭から呼吸が荒く、夏から体重が落ちてきた気がする

でも、ご飯は食べるし、寝ている時間は長いが歳だからおかしいとは思わない、トイレもしてるし元気だとのこと

もうこの時点で私の頭には、

厳しい…

と思いました、案の定調べてみると肺の腫瘍が末期的な状況、余命はおそらく今年中…

そうお話すると、

「そんなことになってるとは思わなかった。可哀そうだ、大切な子でなんとかならないか」

とおっしゃる。

では、なぜ、今年の頭から状態が悪いことがわかっていて今の今まで病院に連れてこないのだ?

オブラートに包んで聞いてみると

臆病な子で連れていくのがかわいそうで…食事もとっていたしこんな状態とはとおっしゃる

子供が病気で呼吸が苦しく、体重が落ちていても同じことが言えるのだろうか

お願いだ

どうぞ猫を飼われているご家族みなに心からお伝えしたい

猫は病気を隠すのがとてもうまい

それは、野生において、弱い所を見せることは死に繋がるからだ、その本能なのだよ

猫が死期を悟ると死に場所を求めて、人の前を去る

みたいな逸話があるが、それは違う

生きるために隠れるのだ、隠れて回復を待とうとしているだけ、死という概念は彼ら彼女らにはない

そして、結局回復できずに死んだだけ

だから、飼い主はその責任において、少しでもおかしいと思ったら病院に連れてきてください

体重が落ちるころには、病気がその子の身体に勝ってるときすでに治療は難しいのだ

お願いです。連れてくるのが難しいなら電話の一つでもしてください。

お願いです。様子を見るのはその後にしてください。

お願いします。

【獣医の日常】No7:11月

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