獣医になりたい子たちに向けて獣医になる前に一つ考えておいて欲しいことがあります。
それは、この先あなたが獣医になったらもしかするとあなたは動物を殺さないといけないことがあるかもしれないということです
動物病院に就職して診ている子の病気が手に負えない状態になって、ただただ苦しむだけになってしまったときであったり
牛や豚、鶏などの現場に就いて、その子たちを食肉に変えるときであったり
家畜の病気が蔓延して、その病気をそれ以上広めないためであったり
行き場のない犬猫の現場に就いたときであったり
実験動物を実験に供するときであったり
そのときにその子たちに手をかけるのは獣医の仕事です。そんなことやりたくないと思うでしょうが誰もやりたくはありません。
しかし、獣医は時に命を助けるが時に命を奪わなければいけない仕事です。我々にはその責務があります。
残念ながら仕事というのは人間社会に奉仕してお金を得ることです。動物にだけ奉仕をしてもそれは仕事にはならないのです。そのため人のため社会のためであれば動物を殺さないといけません。
もしあなたが動物にだけ奉仕したいのであれば獣医という仕事はやめておきなさい。仕事にしないで動物のためにやれることはあるはずだから
私も動物病院の獣医師としてやりたくないけどやるときがあります。
しかし、私がやるときには私が納得した時にしかやりません。納得するとは手を尽くし、尽くし尽くして手がなく苦しいだけのとき、かつご家族の希望があった場合のみです。決してやることが残っているときは希望があってもやりません。
動物病院における安楽死は、基本的には深麻酔です。普段手術の麻酔で使うような系統の薬を通常の量の何倍と投与して行います。
徐々に下がって、そして止まっていく心拍を診ているとき、普段命を助けるために燃やす情熱を自ら吹き消しているかのようです。
本当に辛いものです…
だから、今のうちに知っておいてください。獣医という仕事はどのような仕事なのか。
そして、考えておいてください。命を奪わないといけないときがあることを…
いざいきなりそういう場面に当たると、心が折れてしまう子もいるからね
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