【獣医師執筆】犬猫の慢性腎臓病について(原因と症状)

病気について

うちの子、やたら水飲んで、おしっこするんだけど、何かしら?

と思ったら、

それは、もしかすると腎臓病かもしれません!

ワンちゃん、ネコちゃんにこのような症状が見られたら読みましょう

  • おしっこが多い
  • おしっこが薄い
  • たくさん水を飲む

上記の症状が見られたら慢性腎臓病の可能性があります。

慢性腎臓病とは、腎臓の機能が徐々に低下していき、最終的に命を奪うおそろしい病気です。 今回は、慢性腎臓病についてわかりやすく解説いたします。病気を理解して早期発見、早期治療に繋げましょう。

  1. 慢性腎臓病とは?その原因について
  2. 慢性腎臓病の症状

 

1.慢性腎臓病とは?その原因について

腎臓とは、身体の腰の方に2つあるソラマメのような形をした臓器です。 腎臓の大まかな機能は3つ

  • 腎臓に入った血液から身体に必要なもの(水分や栄養)を残し、不要なもの(毒)は尿として出す
  • 身体のミネラルや血圧のバランス調節
  • 血の原料である赤血球作成

になります。腎臓病は、腎臓になんらかの障害が起きて、腎臓の機能が落ち、これらの機能が果たせなくなって様々な症状が起きる病気です。

腎臓病が起きる原因を大まかに3つに分けてみました。

①腎臓に向かう血液に問題が起こったとき

腎臓に血液がうまく流れないと腎臓がちゃんと働けなくなります。例えば、腎臓に血を送る心臓に病気が起こった時や熱中症などの全身的なショックなどです。

②腎臓そのものに傷害が起こったとき

腎臓そのものに傷害が起これば当然腎臓がちゃんと働かなくなります。例えば、ユリ、レーズン、農薬などの腎臓に傷害を起こすもののを食べたときや感染、免疫異常、腫瘍、加齢などです。

③腎臓から尿が出せなくなったとき

腎臓が作った尿をうまく外に出せなくなった場合、腎臓はダメージを負って働けなくなります。 例えば、腎臓や膀胱に石ができてしまい、尿が出せなくなることで目詰まりが起こった場合などです。

これらの原因が急に起きて、一気に腎機能が落ちてしまった場合は急性の腎臓病、傷害がじわじわ起きて、機能が落ちてしまい、その機能が長期間回復できなくなった場合、慢性の腎臓病となります。

そして、腎臓病によって腎臓の機能が落ちて、命に関わる状態を腎不全と呼びます。

2.慢性腎臓病の症状

腎不全の症状は、様々あります。その中でも頻繁に起こるのが

  • おしっこが多くなる
  • おしっこが薄くなる
  • 水をよく飲む

という症状です。これは、腎臓の機能が落ちることで起こります。

特に腎臓の主な機能である

腎臓に入った血液から身体に必要なもの(水分や栄養)を残し、不要なもの()を尿として出す

という機能が衰えることで

  1. 水分が余計に尿として出る→おしっこが多くなるうすくなる
  2. 余計に水分が抜ける→身体が水分を欲しがる→たくさん水を飲む

となります。そして、この症状がさらに進むと …

  • 食欲、元気がなくなる
  • 嘔吐や下痢をする
  • 痩せる

などの症状がおこります。この症状は、

  1. 身体から本来出すべき不要なもの(毒)が溜まる→胃腸が傷害される→元気食欲がなくなる&気持ち悪さや嘔吐、下痢が出る痩せる
  2. 血液が作る量が減る→貧血になる→酸素がうまく回らなくなる→食欲、元気がなくなる
  3. ミネラルや血圧の調節ができなくなる→より腎臓が悪くなる

そして、最終的に腎不全の段階となると、尿自体を作らなくなり、亡くなってしまいます。

【獣医師執筆】犬猫の慢性腎臓病について②(診断)

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※このブログは、開示すべき利益相反はありません。病気の診断や治療法は、かかりつけの獣医師の判断を尊重してください。医療は、常に日進月歩です。今の医療がこの先も正しいとは限りません 。

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