法改正により令和4年の6月1日からブリーダーやペットショップなどから購入される犬と猫には、マイクロチップの装着が義務化されます。
また、その他のルートからもらい受けた場合なども装着が努力義務とされます。
この流れから今後飼育される多くの子たちがマイクロチップをつけることになると思います。
今すでに飼われている子たちへの装着を検討しているご家族のためにも、犬猫にマイクロチップを入れることのメリットとデメリット、そして、装着する際の注意点について解説します。
- マイクロチップとは
- マイクロチップを入れるメリット
- マイクロチップを入れるデメリット
- その他マイクロチップの注意点
1.マイクロチップとは
マイクロチップは、数ミリ程度の特殊な電子標識器具です。
そして、マイクロチップを装着するというのは、言ってしまえば身体の中に名札を入れるということです。マイクロチップにはそれぞれ番号があり、それを身体に埋め込むことで、迷子になった際にその番号を読み込めば、番号を特定し、飼い主さんを見つけることができる仕組みです。
もうすでに入っている子では登録さえしてしまえば、特にご家族がやることはなく、住所や飼い主が変わる際に登録の変更をするだけです。
もし今飼っている子にマイクロチップを装着する場合の手順としては、下記となります。
◎マイクロチップ装着の手順
- マイクロチップを入れてくれる動物病院を探す。 ※多くの動物病院で行うことができます。すでにかかりつけがある場合は、そこに相談しましょう。
- 動物病院を受診し、皮下に針を刺してマイクロチップを装着
- 動物病院からマイクロチップ装着証明書を受け取る
- 証明書に必須事項を記入の上、登録団体に送付
2.マイクロチップ装着のメリット
マイクロチップ装着のメリットは、迷子になった場合に保護された際に、物言わぬ本人に代わって住所がわかることにあります。
10年ほど前に起こった震災によって多くの犬猫の犠牲とともに、迷子、野良化してしまいました。
この際にマイクロチップが装着されていたら、多くの犬猫がご家族のもとに帰れた可能性もあります。
また、猫ちゃんは、犬に比べて脱走してしまうことが多いです。そのため、脱走後に捕獲された場合識別することがとても重要です。
3.マイクロチップ装着のデメリット
①装着時に痛い
マイクロチップのデメリットは、挿入時の痛みがあります。マイクロチップの針は、通常の検査治療に用いられる針に比べて、極めて太いです!【下記】
通常の針では、怒らない子も怒ったり暴れたりしてしまうこともあります。そのため、必要に応じて鎮静や局所麻酔薬を使うこともあります。
もし若い子であれば、避妊や去勢などのタイミングで全身麻酔をかけるときに一緒にやってあげるといいでしょう。
②MRIへの影響
MRI検査とは、脳や神経などの組織を調べるのに優れた検査です。これは磁気も用いた検査ですが、金属などに反応し、画像が見づらくなることがあります。
そのため、首のヘルニアなどによってこの検査をしようとすると一部画像が乱れ、判断しづらくなる時があります。
③その他への影響
基本的にはマイクロチップが犬や猫の身体に悪影響を与えることはありませんが、異物を入れることには違いありませんので、その拒否反応が絶対に起こらないとは断言できないかもしれません。
4.その他マイクロチップ装着の注意点
マイクロチップの登録は、通常環境省が所管して行われているAIPO(動物ID普及推進会議)に行われます。しかし、中には民間事業者が独自に行っているものがあります。
これは、その民間事業者独自のもののため、AIPOでの検索ができず、その事業者に連絡しないと確認しないとわかりません。そのため、せっかく挿入していても無駄になる可能性があります。
現在一部ペットショップがこの民間事業者のものを採用してしまっており、せっかくのマイクロチップに関する法律も十分な効果を発揮しないかもしれません。
もしすでに挿入している子のご家族は、確認の上通常の登録団体への変更を強くお勧めいたします!
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