今年記念すべき第一回愛玩動物看護師の国家資格化に伴う試験が行われました。
2万798人が受験し、1万8481人が合格しました(合格率88.9%)。
これによって4月から今まで獣医師が行っていた業務の一部が動物看護師さんもできるようになるようです。
当院では2人受験し、無事二人とも合格しました。良かったです
では、今回の国家資格化によって何がどのように変わるのかをまとめてみようと思います。
4月から前まで先生がやっていたことを看護師さんがやり始めるかもしれないので、ご家族も知っておくといいかもしれません。
もともと動物の診療というのは、獣医師法第17条で「獣医師でなければ飼育動物の診療を業務としてはならない」という前提がありました。
しかし、今回「愛玩動物看護士は獣医師法第17条の規定にかかわらず、診療の補助を行うことを業とすることができる。」となりました。
要約すると「獣医さんしかできなかった診療業務の一部を看護師さんもすることができるようになった!」ということです。
この中で大切なのが「一部」というところです。
では、何ができるようになって、何がやっていけないかというと
実はしっかりとは決まってないのです。
もちろん大枠は決まっています。その大枠というのは
「愛玩動物看護士は、法第2条第2項において、診療の補助(愛玩動物に対する診療の一環として行われる衛生上の危害を生じる恐れが少ないと認められる行為であって、獣医師の指示のもとに行われるもの)および疾病にかかり、または負傷した愛玩動物の世話その他の看護並び動物を使用するものその他のものに対す愛護及び適正な使用に関わる助言その他支援を業とするものとされている。」
長い…お役所構文で読みづらい…
要約すると
- 危なくない範囲で獣医さんの指示があれば獣医の仕事ができます
- 病気の犬猫の世話ができます
- 犬猫のご家族の相談に乗ってもいいし、助言、指導してもいいよ
ということです。補助と書かれているので実際に行うことが禁止されていると解釈できますが、実際は獣医師の仕事の一部ができると解釈していいとのことです。
で、ここで大切なのが「危なくない範囲」というところです。
危なくないというのが例として今のところ提示されているのが
- 危ないこと
・診断(間違えたらそのまんま命に関わるので)
・手術(上に同じ)
・ワクチンなど打った後にリスクが伴う薬品の投与(アナフィラキシーショックとか起きたら大変だから…)
・レントゲンのスイッチを押すこと(レントゲンも安全対策しないと人体に有害だから)
などです。
しかし、この中では細かいことに関しては、その動物病院、その動物看護士さんのスキル、処置を受けるその子の状態などによって獣医師が個別に判断し、指示を行うため異なるようです。
また、緊急時における処置についても獣医師の指示書があれば実施可能とのことです。
まだまだできたばかりの法律でありこれからトライ&エラーを繰り返して、具体化していくというもののようなので今後業務内容の変化が起こっていくかもしれません。
どちらにせよ今回の法改正によってしっかりとした動物看護師という仕事の裏付けができたと思います。
今後動物看護士さんと獣医が一層連携していくことでより良い医療が動物に提供できるように現場でもかんばっていこうと思います。
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