【獣医の日常】Day5:延命とは

獣医の日常

先生、うちの子、延命はさせたくないんです。

できるだけ自然にいかせてあげたい

苦しまなければいいんです

この言葉はとてもよく聞く言葉です。今日も聞いた。

この言葉を聞くたびに私は

延命って何?治療することは延命なのか?それとも違うのか?

子犬を治療することは治療で、老犬を治療することは延命ということか?どっからが延命ですか?

自然に?治療することは自然なことなのか?そもそも人の手が入る時点で不自然?人のやることは不自然?人も所詮は自然の一部ではないのか?てか、それならなんで私の前に来たの?

苦しまなければ?苦しいにきまっているじゃないか…病気なんだから…

そして、放っといて治療しなければ苦しんで死ぬだけだよ

もちろん100の苦しみのすべてはとれないかもしれないけど、1でも2でもとってあげたいじゃないか…そのために力を尽くすよ

私は言いたい

人の手で延命なんておこがましい

そうじゃない、今日を生きのびれたのであれば、それもその子の寿命だよ

何をやっても、何をやらなくてもいづれ死ぬ

こればっかりは変えられない。

できることをできるだけやればいい

自然にとか延命はいいとか、それっぽい言葉で治療を終わらせないでほしい

苦しみからの解放をあきらめないでほしい、治療をさせてくれ

もちろん、若い頃みたいに元気にはしれあげられないけども

今日生きて、明日を迎え、ご家族がともにいてあげられればいいじゃないか

その上で苦しまないように、健やかに過ごせれば満点だ。

死という概念は、人が勝手に作ったもんだろ

犬猫は死にたいなんて思ってないよ

その子は生きたいと思ってる。生き物の本能だ

私は、そう思う。そう信じている。

【獣医の日常】No6:猫の飼い主さんに心から伝えたいこと

コメント

タイトルとURLをコピーしました