私が見つけたAIMを与えれば猫の腎臓病は、防げる!そして、猫は30歳まで生きれるかもしれない!
すごい!クラウドファンディング(寄付金)で応援しよう!
ということが、最近猫沼(猫にはまっている人たち)界隈では、ニュースになっています。
このクラウドファンディングによって集まった額は、2億円以上!AIMの期待の高さを物語っていますね。
では、この話題のAIMってどのようなものでしょうか?実際これで猫ちゃんが長生きできそうなのか解説します。
- 猫の腎臓病について
- 猫の腎臓病の症状
- 猫の腎臓病の診断
- 猫の腎臓病の治療
- AIMって何?その可能性について
1.猫の腎臓病について
猫ちゃんは腎臓病が多い生き物です。腎臓病は、急性の腎臓病と慢性の腎臓病に大別すると
最新の研究では,慢性の腎臓病の猫ちゃんの割合は、すべての猫の50%、15歳以上では81%と言われています。
年をとってくるとほとんどの子がかかると思っていいでしょう。
では、なんでこんなに腎臓病になってしまう子が多いかというと…
- 猫はもともと砂漠の生き物であり、水を体外にあまり出さないようにする腎臓を持っている =腎臓が普段から頑張って働いている
- 猫は、高たんぱく食(肉食)の動物であり、蛋白の代謝産物を大量に排泄する能力が腎臓に要求される =腎臓に負担をかけやすい食性
ということが関わっています。他にもウイルスの可能性とか、歯が悪くなると腎臓が悪くなるとか、ワクチンの影響がとか、遺伝的にとか色々なことが影響しているかもしれません。
また後に解説しますが、AIMという腎臓がダメージを負ったときにそこをを治すために働くタンパク質が腎臓に届きづらいことが影響している可能性があります。
2.猫の腎臓病の症状
猫ちゃんが腎臓病になるとどのような症状が現れるかというと
- たくさん尿をする
- たくさん水を飲む
- 食欲がなくなる
- 元気がなくなる
- 嘔吐する
- 痩せていく
などの症状が現れます。
腎臓の機能をおおざっぱに2つ挙げると、身体の水分調節と身体が作り出したごみの体外への除去です。そのため、腎臓が悪くなると
→水が身体に保てなくて、どんどん尿として水分が出ていく
→身体に水が減っていくと、喉が渇いて、水をたくさん飲む
→身体の水分が飲む量より、出ていく量が多くなると、脱水症状で元気食欲がなくなる
→腎臓が身体から出すはずだった毒(尿素窒素など)が身体に溜まり、嘔吐する
→結果、痩せる。そして、最終的には毒が身体の様々機能をおかし、亡くなってしまいます
となります。
3.猫の腎臓病の診断
腎臓は、基本的には一度壊れると元には戻りづらい臓器です。
そのため、腎臓が悪くなる前にその悪くなるスピードを遅くしていかないといけません。
なので、腎臓病は早期発見、早期治療がとても大切!
では、腎臓病をどのように見つけていくかというと
①SDMA
SDMAというのは、比較的新しい血液検査の項目で、腎臓の機能が25%傷害されると上がってきます。
②尿検査
腎臓が悪くなるとたくさん水分が尿として出ていきます。そのため、尿が薄くなります。腎臓の機能が半分程度障害されると、機能が保てず、尿が薄くなります。
③BUN(尿素窒素)・クレアチニン
腎機能の75%程度が傷害されると上がってくる血液検査の項目。BUNは、食べているタンパク質の燃えっかす、クレアチニンは、身体についている筋肉の燃えっかす。本来は、身体から捨てられるはずのものですが腎臓が悪くなると身体に溜まっていきます。
④電解質・リンやカルシウムなどのミネラル成分
腎臓は前に述べた2つ以外にも、様々な機能を持っています。それが、電解質という水の中の成分やミネラル分のバランス調節機能です。腎臓が悪くなるとこれらの調節機能が傷害され、数値の異常が見られます。
4.猫の腎臓病の治療
腎臓病の治療には、現在下記のものが挙げられます
①食事療法
腎臓に負担をかけるたんぱく質や塩分、ミネラルなどが適切な量に調節された食事を与えることで、腎臓への負担を和らげる治療です。最近では、腎臓病の進行程度によって初期のものとそれ以降のもので分けられているものが作られています。まず、腎臓病が見つかったらここから治療がスタートします。
②点滴
症状が進行して、身体から抜ける水分量が増えてしまうと、それを補う必要がでてきます。点滴は、身体に必要な水分を入れてあげることで、脱水を改善します。脱水状態は、腎臓を悪くする原因の一つとなるため、状態によっては定期的な点滴が必要になります。
③その他の薬
腎臓病を治す薬は、今のところありません。ですが、腎臓が悪くなったことで起こる気持ち悪さや食欲の低下に対しては、薬で対処することができます。また、腎臓の血圧を下げたり、身体に必要なたんぱく質が出ていくのを防ぐ薬を飲むことで身体、腎臓の負担を和らげることができるかもしれません。
他にも様々なサプリメントを試す場合もあります。
④透析、腎移植
人と同様に血液や腹膜透析、腎移植を行っている施設もあります。今のところはまだ一般的な治療とはなっていませんが、今後に期待です。
腎臓病の治療は、基本的にはその子が天助を全うするまで続きます。ご家族は、信頼できる獣医師と2人3脚で適宜治療を勧めていきましょう。
5.AIMって何?その可能性について
では、本題です。
今、AIMというものが猫の腎臓病の悪化を防ぐのに有効ではないかと言われています。AIMというのは、ざっくりいうと腎臓が傷を負ったときにそれを治すために働くタンパク質です。これは、多くの生き物の血液中に存在しているタンパク質で猫ももっています。では、なんでこれを与えることで猫の腎臓病の悪化が防げるというと…
猫では、このたんぱく質が腎臓がダメージをおったときにちゃんと腎臓で働いていない可能性があることが分かったためです
AIMあるのになんで腎臓を治さないの?
と思われると思いますが、AIMは、普段IgMという別のタンパク質と手を繋いで、血液の中を流れています。そして、腎臓がダメージを負うとその手を放して、腎臓を修復に向かいます。
ですが、猫のAIMは他の生き物とは異なり、腎臓がダメージを負っても、その手をつなぎっぱなしで現場に向かっていないようなのです。
ちゃんと働け!
ですね。そのため、腎臓は傷をおっても、適切に治療されず、ダメージが蓄積していきます。結果、腎臓が他の臓器より先に悪くなっていきます。そこで、
んじゃ、身体に外からAIMを足してやればいいじゃん!
という発想に繋がるわけです。
しかし、ここで注意しなければいけないことがあります。それは、
AIMはすでにダメージを負って、機能を失った腎臓を治すものではない
ということです。そのため、位置づけとしては今すでにある腎臓病対策のご飯と同じで、悪化を防ぐもの、ないし、悪化スピードを和らげる可能性のあるものということです。
また、腎臓病には、様々な発症要因、悪化要因があります。AIMは、そのすべてを防ぐものではないということです。
そんなAIMですが、今そのAIMの働きを助けるアミノ酸が配合されたドライフードの販売が進んでいます。
まだ、このようなAIMフードが明確に腎臓病に効きます!と断言できる段階ではありません。
ですが、今後多くの猫ちゃんがこのフードを食べることで、もしかすると本当に30歳の猫が当たり前の世の中になるかもしれませんね。今後に期待です。
2022/3/9追筆
マルカンさんからAIM30についての注意がなされています。現状AIM30は、現在腎臓の悪い猫ちゃんに対して与えることは、推奨されていません。すでに慢性腎臓病と診断されている猫ちゃんに対しては、既存の腎臓用の療法食が第一選択となっています。
コメント